2022年度 JSCA国際標準化セミナ―
2023年2月10日 Web開催
※2022年度JSCA国際標準化セミナーは終了しました。講師の皆様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。 後日講演スライド、動画を当ホームページにて掲載する予定です。
2022年度 JSCA国際標準化セミナ―
2023年2月10日 Web開催
※2022年度JSCA国際標準化セミナーは終了しました。講師の皆様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。 後日講演スライド、動画を当ホームページにて掲載する予定です。
ー JSCA 国際標準化セミナー講演内容 ー
14:00 開会のあいさつ
JSCA 代表理事 藤田 大介 (国立研究開発法人 物質・材料研究機構)
14:05~
「ISO/TC201 の国際標準化活動に携わって -会議は踊る、そして進む」
野中 秀彦氏 (国立大学法人 筑波大学)
2006 年より ISO/TC 201 の活動に参加し、これまでに国際幹事(2009 年~2014 年)および国際議長(2015 年~)として表面科学分析に関する国際標準化活動に携わってきた経験に基づ いて、TC201 の概要、沿革、年に1度開催される総会などを紹介します。国際幹事では、ISO 中央事務局とのやりとりや文書の発行などの TC の事務業務を遂行し、国際議長では、総会 の議長やメンバー国間の意見調整などの TC の取りまとめを行った際に感じた、楽しさ、苦労、やりがいなどの話を通じて、特にこれから国際標準化に関わる方などに TC201 の活動の重 要性と魅力が伝われば幸いです 。
14:25~
「AFM を用いた弾性率測定法の ISO 標準化活動について」
中嶋 健氏 (国立大学法人 東京工業大学)
本発表では、ISO21222 として ISO 文書化された「AFM を用いた弾性率測定法」について行ってきた活動の報告を行う。手法そのもの(JKR2点法)についてもある程度説明を行う。その 際、ISO 化に先駆けて行った VAMAS でのラウンドロビンテストで得た経験などについても報告する。さらには、ISO21222 の見直しがなされる数年後を見据え、現在の JKR2点法を上位 互換できる方法について、現在開始した VAMAS の活動についても最新の情報を発信する予定である。
14:45~
「TC202 を題材とした国際標準化活動における「用語」規格の位置づけ」
杉山 昌章氏 (国立大学法人 大阪大学 大学院)
ISO/TC202(マイクロビームアナリシス)の国際標準化は、1991 年に中国初の ISO 幹事国として活動が開始された経緯を持つ。標準化対象は入射ビームとして電子を用い、分析深さが 10μm以下で、分析面積が 100μm2以下の分析対象容積を基本としている。各 TC には、必ず Terminology(用語)というサブコミッティ(SC)があり、その一般性から公開型の規格開 発を進めている。学術分野でも企業戦略でも重要な用語の標準化について紹介する 。
15:05~
「ISO/TC 202/SC 3 分析電子顕微鏡の国際標準化」
松下 光英氏(日本電子株式会社)
ISO/TC 202/SC 3 は分析電子顕微鏡(AEM)に関する国際標準を審議する分科委員会で,8 か国の P メンバー,10 か国の O メンバーから構成され,日本は P メンバーかつ幹事国である。 令和 5 年 1 月 1 日現在,6 つの AEM 関連の国際規格が発行されており,そのうち 4 つは日本から提案されたものである。これまで発行された規格は,分析電子顕微鏡の観察法,分析法 に関するものであったが,令和 3 年度から,FIB による AEM 観察用試料作製のガイドラインを日本が提案国となり,経産省の産業標準化推進事業の枠組みを用いて開発を行っている。 本講演では AEM に関する開発中を含む国際規格の概要と,最近の規格への提案動向について述べる 。
15:25~
【特別講演】「電子分光法における表面定量分析の標準化の歩み」
田沼 繁夫先生(国立研究開発法人 物質・材料研究機構)
AES や XPS に代表される表面電子分光法における定量化は, 1982 年の VAMAS プロジェクト TWA-2 SCA の設立と 1991 年の ISO TC201SCA の設立が2つの大きな転換点といえる。前者で は,個々人の定量研究から国際共同研究を通して,定量の信頼性や正確性・遡及性が議論された。その発展として,ISO を通しての「定量化の標準化」がなされてきた。この定量化と標 準化(の一断面)を, XPS と AES における「感度係数法」の進展を通して考えてみたい。この2つのプロジェクトがなければ「表面定量」はあっても「表面定量の標準化」は無かった であろう。
16:05 閉会のあいさつ
JSCA理事 大堀 謙一