入会のメリット
入会のメリット
令和3年3月に閣議決定された第6期科学技術イノベーション基本計画において、「国際機関におけるガイドライン等の作成における我が国の関与を⾼めるとともに、社会課題の解決や国際市場の獲得等に向けた知的財産・標準の国際的・戦略的な活⽤に関する取組状況(国際標準の形成・活⽤に係る取組や⽀援の件数等)を着実に進展させていく」ことが提言されています。ここで、国際標準(Global standard)とは、産業製品の品質・性能・安全性・寸法・試験方法などに関する国際的な取り決めのことです。19世紀末から20世紀にかけてグローバルな工業化社会が到来しました。戦後、ブロック経済が崩壊し、様々な工業製品が大量に国境を超える交易と対象となることによって「国際標準」が登場しました。国際標準化のトレンドは、全世界的な経済活動が国内のみの交易では完結せず、国際貿易や世界市場に依存するようになったことの必然的結果といえます。国際標準化により、相互理解が進展し、互換性と消費者利益の確保が図られます。
さて、国際標準化は貿易立国かつ産業立国である日本にとってこそ重要であり、それゆえ、我が国のイノベーション戦略の中核を担うことは言を俟たないでしょう。1996年に世界貿易機関(WTO)のTBT協定が発効し、国内規格が国毎に異なることが貿易の障害(Technical Barriers to Trade)になるとし、国内規格においても国際規格(International Standard: IS)を尊重することを規定しました。そのため、国際標準化スキームに主導的に参画し、国際標準策定の議論に対応可能な交渉能力を有する人材を育成することが益々重要となりました。
一般的な産業分野の国際標準化活動を担う国際標準化機構(ISO)には各国一機関が参加できます。ISOにおいては、産業技術分野毎の国際標準化を技術委員会(Technical Committee: TC)の下で行います。我が国は1952年から日本産業標準調査会(JISC)が加盟しています。一般社団法人表面化学分析技術国際標準化委員会(JSCA)は、ISO/TC 201(表面化学分析)とTC 202(マイクロビームアナリシス)に対応する国内審議団体です。JSCAには当該分野に関わる国内企業や標準化に係る団体が会員として参加され、法人会員からの会費や経済産業省からの委託費等により運営されています。また、JSCAの活動を担う国内業務委員会には、委員として、国研・アカデミア・産業界の表面化学分析分野・マイクロビーム分析分野の研究者と技術者が標準化に関する諸事業に参画しています。また、JSCAは、ISOにおける国際標準化のみならず、ISO規格に対応する国内規格(日本産業規格:JIS)の原案作成、ISO規格やJIS規格の国内普及活動(国際標準化セミナーなど)、さらに国際標準化人材の育成を行っています。
JSCAに入会することにより、当該分野の会員企業には多くのメリットがあります。まず、JSCAが国内審議団体として行う国際標準化活動や翻訳JIS策定に主導的に参加することにより、国内産業にとって不利益とならないような国際標準の策定が可能となります。また、国内外における標準化の最新トレンド情報を入手することにより、いち早く国際標準に準拠した製品やソフトウエアの開発が可能となり、自社製品の世界市場での産業競争力向上に資することが期待されます。さらに、オンサイトやオンラインで開催される国際会議にエキスパートやプロジェクトリーダー等として主導的に参加することにより、国際的な交渉力を有する技術人材のOJT育成に資することが可能となります。近年、ISO/TC 201(表面化学分析)とTC 202(マイクロビームアナリシス)のスコープに含まれる先端的な計測分析技術分野は益々拡大する傾向にあり、より広範な計測分析技術・機器に関連する産業界からのJSCA入会を大いに歓迎します。
< お問い合わせ > 一般社団法人 表面化学分析技術国際標準化委員会 事務局 〒305-0051 茨城県つくば市二の宮 1-2-3 ベルコムつくばビル 202号室 TEL:029 -893 -5371 FAX:029 -893 -537 E-MAIL:jsca@jsca-jisc.org アクセス
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