2024度 JSCA国際標準化セミナー
2025. 3. 4 Web 開催
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【特別講演】「計測分析機器の共通データフォーマットの活用展望」
永富 隆清 先生(旭化成株式会社)
計測分析機器の共通データフォーマットは、将来の計測分析プラットフォームのための基盤技術として、日本学術振興会「イノベーション創出に向けた計 測分析プラットフォーム戦略の構築」に関する研究開発専門委員会での提案から始まった。その後、新エネルギー・産業技術総合開発機構のプロジェクト 等で共通データフォーマットの開発が進むのと並行して、2018年からは日本学術振興会産学協力研究委員会「計測分析プラットフォーム第193委員会」に て、共通データフォーマットの活用に関する議論を行ってきた。本講演では素材産業界の視点での共通データフォーマットの活用展望について述べる。
「走査型プローブ顕微鏡における表面ナノ機能計測の標準化」
藤田 大介 先生(一般社団法人表面分析技術国際標準化委員会)
1981年の発明以来、走査型プローブ顕微鏡 (SPM) は、表面の構造&機能をナノスケール計測する最も有力な手法に発展しました。産業界におけるナノ分析 ツールとして、その定量化と標準化のニーズが高まり、2004年にISO/TC 201にSPM標準化のためのSC 9が設立されました。標準化を効率的に推進するには、 VAMASスキームを活用しつつ、国内外の学界、産業界、政府機関からのエキスパートが参加した試験所間比較(ILC)が不可欠です。本講演では、プロジェ クトリーダーとして現在進行中の2件の業務項目、「AFMによる定量ナノ物体サイズ計測」及び「KPFMによる定量表面ナノ電位計測」について、VAMAS/ILCプ ロジェクトからIS標準化へ向けての成果と進展状況を紹介します。
「ISO/TC201の国際標準化活動に携わって」
野中 秀彦 先生(国立大学法人 筑波大学)
2006年にISO/TC 201の活動に関わり始め、これまでにTC201の国際幹事(2009年~2014年)および国際議長(2015年~2023年)として15年間にわたり表面化 学分析に関する国際標準化活動の運営に携わってきました。その間、ISOの中央事務局とやり取りをしながら、TC傘下のWGにおける新規規格の開発のサポー トの他にTCの組織の改編や新たな事業の推進などを経験しました。それらの経験話を介して、特にこれから国際標準化に関わる方などにTC 201の活動の魅 力と重要性が伝われば幸いです。
「EPMA技術の発展とTC202/SC2の活動の現況」
髙倉 優 先生(日本電子株式会社)
私は昨年度末からISO/TC 202/SC 2 EPMA-WGに参加したので現状のEPMAに関する標準化活動に関してまだ浅い知識しか持っていません。但し入社当初から30 年に渡ってEPMAのアプリケーション業務に携わっているので、本セミナーではこれまでの装置開発の歴史やEPMA分析技術の発展に関する主なトピックスを 紹介するつもりです。トピックスとしては、広領域のステージ駆動による元素マップ、人工超格子分光素子の開発による軽元素感度向上、商用機へのFE電 子銃の搭載などが挙げられます。本講演ではこれらEPMA関連技術の振り返りを行います。またTC 202/SC 2の活動の現況について述べます。
「ISO/TC 202/SC 3におけるTEM技術に関する国際標準化への取り組みと展望」
福嶋 球琳男 先生(株式会社ステム)
透過電子顕微鏡(TEM)およびその周辺機器のハードウエアに絡んだ技術に関する国際標準化への取り組みは、ISO/TC 202(マイクロビーム分析専門委員 会:1991年設立)の下部組織となるSC 3(AEM分科委員会:1993年設立)で扱われている。2005年から2006年にかけて実施された標準化ニーズのアンケート 調査結果を踏まえ、現在までに電子回折法、像倍率校正法、EELS分析法など6件のTEM技術に関する国際規格が発行されている。本講演では、これまでのSC 3活動の軌跡を振り返りながら発行された国際規格の概略を示すとともに、像分解能測定法など最近の活動内容や今後の展望について簡単に述べる。
Japan National Committee for Standardization of Surface Chemical Analysis